コイルタイプのマットレスには、上記写真のように、コイルの他に詰め物が入っています。
詰め物には、綿、ウレタンフォーム、ラテックス、その他新素材などが使われており、コイルだけでは再現しづらい感触や寝心地、柔らかさなどが細かく調整されています。
詰め物はマットレスのヘタリに大きく関係する
ここで皆さんに覚えておいてほしいことは、コイルマットレスのヘタり*についてです。
ヘタったと感じるのは、コイル部分ではなく、クッション部分の劣化が原因であることが多いようです。綿や密度の低いウレタンフォームは耐久性が高くなく、特にウレタンフォームは圧力がかからなくても空気に触れているだけで劣化する性質のため、劣化しやすい素材をふんだんに使ったマットレスには注意が必要です。
ごく稀に、コイルで柔らかさを再現せずにヘタりやすい詰め物だけで柔らかさを出している粗悪なマットレスもあります。表面的な感触に騙されずに、クッション部分にどんな素材がどのくらい使われているかをしっかりチェックしましょう。
一方で、耐久性の高いクッション素材を自社開発しているメーカーもあります。例えば、サータの「iシリーズ」には、自社で開発した耐久性の高いジェルメモリーフォームという新素材が使われています。
*ヘタり:マットレスを使い続けることで反発力・クッション性が弱くなること。
ピロートップ(ベッドパッド一体型マットレス)
ピロートップとは、上記写真のように、クッション性の高いベッドパットが取り付けられたもののことを言います。片面だけがピロートップ仕様のものや、両面タイプのマットレスがあります。後からマットレスの上にのせて使う、別売りタイプもあります。
ピロー部分とコイル部分の間にマチが付けられ生地に余裕があるため、寝返りをうってもコイル部分の生地が引っ張られず、コイルが独立して機能を果たすことにより寝心地が良くなります。
高級ホテルのベッドなどに導入されており、ふわふわで包み込まれるような寝心地を体感することが出来ます。
ピロートップマットレスは各メーカーの高級ラインとして位置づけられており、価格は相当高くなります。このピロートップ部分はコイルではない素材が使われているため、先に説明したとおり、経年によるヘタりが出てきます。このことから、一般の家庭では高級なピロートップマットレスを購入するよりも、ピロートップ無しのマットレスで納得のいく商品を検討するほうがいいでしょう。
同じマットレスを長い間使いたいなら、ヘタりやすい綿やウレタンで厚みを出しているものよりも、ヘタりにくい素材を詰め物として使っているマットレスを購入するか、ベッドパットで柔らかさ・身体に当たる感触を調整することをお勧めします。ベッドパットでしたら、ヘタってきても買い替えが可能ですし、商品によっては洗濯も可能です。